多くの中小企業では、「黒字なのにお金が足りない」という現象が起きています。
売上も利益も順調なのに、なぜか資金が苦しくなる――。その原因は、“利益”だけを見て経営しており、“お金の流れ”を見ていないことにあります。
会社を潰すのは赤字ではなく、キャッシュの枯渇です。
経営者が“数字の流れ”を正確に把握できていないと、いくら好調なビジネスでも、資金ショートという危険に直面します。
いま求められているのは、損益の数字だけではなく、“お金の動き”をベースにした経営判断です。
この考え方こそが「キャッシュフロー経営」です。
「キャッシュフロー経営」とは何か
キャッシュフロー経営とは、会社のお金の出入り(フロー)に基づいて経営判断を行うことを指します。目的は、資金の過不足を予測し、未来の意思決定をより正確にすることです。
“儲ける力”よりも、“お金を残す力”を鍛える経営手法ともいえます。
損益経営とキャッシュフロー経営の違いは次のとおりです。
観点
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損益経営
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キャッシュフロー経営
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判断基準
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利益(PL)
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現金(CF)
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タイミング
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過去の結果を見る
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未来の見通しを立てる
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管理者
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経理部門
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経営者自身
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目的
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黒字化を目指す
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資金繰りの安定と成長
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つまり、キャッシュフロー経営とは「売上」ではなく「キャッシュ」で会社を見ていく視点なのです。
キャッシュフロー経営を実践するための3ステップ
キャッシュフロー経営は、理論ではなく“習慣”です。実践するためには、次の3ステップが有効です。
ステップ①:「お金の流れ」を見える化する
まず取り組むべきは、「お金の流れ」を整理することです。
入金と支払い、固定費や税金などの支出を一覧にまとめ、毎月のキャッシュ収支を把握します。
これにより、将来の資金余力が一目でわかるようになります。
資金繰り表は、Excelでもクラウド会計でも構いません。重要なのは、経営者自身がその中身を理解することです。
【ポイント】
・経理担当に任せきりにしない
・毎月1回、社長が“お金の地図”を見る習慣をつくる
ステップ②:「未来の数字」で意思決定する
キャッシュフロー経営の肝は、“予測ベースの意思決定”です。
たとえば、新しい人材を採用する前に3ヶ月後の残高を確認したり、設備投資の前に投資後のキャッシュ残高を試算したりすることです。
このように、未来のキャッシュを見てから動くことで、安心して攻める経営ができるようになります。
【CFO視点のアドバイス】
判断に迷うときは、“利益”ではなく“キャッシュ残高”で考えることが大切です。
ステップ③:「数字で話す組織」に変える
キャッシュフロー経営の最終目的は、社長だけが数字を理解するのではなく、社員全体が“数字で話す組織”に変わることです。
営業担当は「売上」だけでなく「入金タイミング」を意識し、経理担当は単なる処理から「経営管理」へと役割を広げていきます。
組織全体が数字で動けるようになれば、会社は驚くほど強くなります。
AMMCでは、経営会議の設計や報告フォーマットづくりまで支援しています。
「キャッシュを制する者が、経営を制す」
キャッシュフロー経営を実践することで、会社のお金の流れが一目でわかり、判断に迷わなくなります。
そして、銀行からの信頼も高まります。
経営とは“お金の意思決定”の連続です。
キャッシュフロー経営は、その地図を見ながら走る方法です。
株式会社AMMCは、キャッシュフローコーチとして経営者の伴走者となり、“お金の見える化”を通じて会社を強くする支援を行っています。
📩 キャッシュフローを見える化したい方や、資金繰りの管理を整えたい方は、ぜひAMMCへご相談ください。
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